からだの滞り

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「からだは出すことから始まる」
昔、整体の先生に言われた言葉です。

世の中のものはすべて、まずは出すことから始まります。
出さない事には、入ってきません。
”出口”と”入口”を一緒に言う時は、”出入口”と出口が先にきます。
満員電車が来ても中にいる人が”出”なければ、誰も入れません。
まずは、出す事から始まるのです。

からだに滞りがあると、そこから不調が始まる。不調の原因になりやすい部分。
溜まっている部分を解放して、流れを良くしたいですね。

生命形態学で有名な三木成夫先生著書を読んでいたら下記のような事が書いてありました。

特に動物は、植物とは違ってからだが”ため込む”構造をもっています。
生物は、外からのものを取り入れ、内なる老廃物を排泄します。
これは、植物も動物も一緒です。川の流れのように絶えず滞りなく流れている状態、これが生命に必要な状態です。
そこに少しでも川溜まりが出来ると、水の流れが滞り問題が起きます。
この”たまり”が動物の体にはあるのです。

これに対して、植物はもともとこの”たまり”の部分がありません。
動物と植物の大きな違いです。
植物は、「植物=自然」というように自然と一心同体になっていますが、
動物は、自然から独立したために、冬が来れば食物が無くなるので、からだの中にため込む必要が出ます。このため動物には”たまり”があるのです。

”たまり”は、生き物の種類によってまた変わっていきます。

1.円口類
ウナギなどは、胃袋がなくたまりは肝臓だけです。口から入った食物が腸管の中を流れて最後に肛門から糞となって出ていきます。エサがなくなれば入ってこない。植物に近いですが、肝臓があるため、ある時にはため込み、ない時はここから放出する。動物的な流れの最初のものです。

2.魚類、両生類、爬虫類
アゴができて、いわゆる丸呑みするようになります。丸呑みしたものは胃の中にため込んで、そこで消化します。そしてそこから小出しにして肝臓で次にため込みます。

3.哺乳類
哺乳類になると口の中でもため込みます。ハムスターのようにホッペにため込むのです。次に胃袋、最後に肝臓にため込みます。

4.人類
人類になると知恵と手を使って、からだの外でため込むことも行います。穀物の貯蔵や食肉の冷凍保存など農耕・牧畜の始まりです。さらに近代になると物ではなく、お金でため込みます。”たまり”の最後に行き着くのは銀行なのかもしれません。

たまれば、たまるほど滞っていきます。
夜寝る前にご飯をたくさん食べて寝ると胃袋にたまって滞る。そうするお慢性胃炎になりやすく、
肝臓の流れが悪くなれば肝硬変になりやすく、
結腸に便がたまるとガンの原因になるかもしれません。
滞りがいろいろな不調の原因となります。

特に、たまる部分は人間のからだでは、上腹部に集まっています。
みぞおちの辺りの硬さ、しこりのある人はほぐして滞りを解消したいですね。
また、そういう人は背中の左側にもコリがあります。
その話はまた次回に。