フェルデンクライス・メソッドのレッスンの中では、
動きの後に休息をとります。
あまり力を使わなかった動きの後でもです。
これは、
疲れたから休憩する
体力を回復するため
という類のものではありません。
「動いている間に生まれた変化を吟味する」
のが目的です。
1つの動きから次の動きに移る際、
動きと動きの間に時間をとらないで
すぐにとりかかるのが習慣になると
続けて行った一連の動きが残す効果を
自覚出来ずに終わってしまいます。
注意力や識別力を欠いた動きは、
ただ機械的な反復で、動いたすぐの効果以外は
なんの価値もありません。
そういう動きには、
せっかく高度に発達した「人間の神経系」
の力を必要としないからです。
なんとなく、体感はしていても
自身がそれに注意を向け、自覚出来るだけの
充分な時間をかけないと、
ただ、単に機械的な運動をして終わってしまうのです。
結果として、何も自分の中に吸収出来ずに終わってしまいます。
食物も食べてすぐに体の血や肉となるわけではありません。
胃で消化され、腸で吸収されて体に取り込まれます。
変化や感覚も同様で、
消化され、吸収されてはじめて体に取り込まれます。
レッスンで休息を取る時は、
そんなことも頭の片隅に置きながら休んでください。