モーシェ・フェルデンクライスは、
人間の発達段階には、
3つの段階があると著書で述べています。
第一段階 → 自然なまま
第二段階 → 個人的な改善
第三段階 → システム的に構築される
例えば、絵画でいうと
第一段階 → 自然のままを描写して描く
第二段階 → ある人が独自に遠近法を用いて個性的に描く
第三段階 → 遠近法を体系立てて教えられ、誰もがそれを用いて描く
というような感じです。
どの段階がいいというわけでもなく、
決して第三段階に発展しなければいけない
というわけでもないですが、
人間の脳の3つの部分とも対応しているように感じます。
第一段階 → 脳幹 → Nutural (自然)
第二段階 → 辺縁系 → Personal (個人)
第三段階 → 新皮質 → System (システム)
他の動物とは違い、人間はシステムを構築して
文明を進化させてきました。
その中で、
「教育」は歴史を重ねて構築されたシステム
なのだと思います。
学ぶ事 = システムを理解する
という事は、社会の一員として暮らしていくには
必要なことなのだと思います。
ただ、個人の能力を伸ばすという観点で考えると
それだけではなく、システムを学ぶ事と同時に
Awareness(自覚する事・認識する事)が必要
なのだとモーシェは言っています。
学ぶために、識別する力が必要だと言っているのは、
そういう部分も関係しているのだと思います。
社会とは切り離した、
個人としての
自由な行動、自由な動き、自由な在り方
フェルデンクライス・メソッドはそんな所を
目指しているのかもしれません。