色のしくみ

前回、色は光(電磁波)の波長の長短で決まると言いました。 全ての波長が見えると色は「白」です。 なので、全ての光の波長を含む太陽光を直接見ると白色に見えるのです。 でもよく考えてみてください。 光のスペクトルには「白」に見える波長の光はありません。 プリズムなどで分光された光は、波長の長い方から短い方にかけて、赤、橙、黄、緑、青、藍、青紫の7つです。(正確には色は連続していて区切りはないのですが・・・) では、なんで白色に見えるのでしょうか? それは、色を“混色”いているからです。つまり色を組み合わせているのです。 色を組み合わせて白色になるというのは、いまいちイメージ出来ないかもしれませんが、 色は網膜を刺激する事によって感じますが、複数の波長が網膜の同じ位置に同時に当たると、もとのそれぞれの色とは違う別の色として感じるのと同時にそれぞれの波長のエネルギーがプラスされ、明るさが増します。このため全ての波長が網膜で混色されるとエネルギーが一番高まり、一番明るい状態=白色として感じるのです。 このように混色すればするほど明るくなるので、網膜上で混色されるものを「加法混色」と呼びます。 これとは、逆に網膜に届く前に混色されるのを「減法混色」と呼びます。 例えば、2枚のフィルターを重ねて光を当てると元の色とは違う色になります。フィルターを光が通過する際に一部の光が吸収されて色が変わるので暗くなり、全ての光が吸収されると加法混色とは真逆の黒色になってしまうからです。 加法混色も減法混色もそれぞれ3つの原色があります。 加法混色 赤(R)、緑(G)、青紫(B) 減法混色 マゼンタ(赤紫)(M)、シアン(緑みの青)(C)、イエロー(黄)(Y) の3色です。 一般的によく聞く色の3原色でイメージする「赤、青、黄」は、ほぼこの減法混色で使う色なのです。 減法混色は、物体色として表現する時に使われます。 例えば、一番身近なものでは、色を付着させて印刷をするプリンターなどがそうですね。 インクを買う時、マゼンタ、シアン、イエローと言う名前で売っていると思います。 なんで赤、青、黄と表現しないんだろうと思った事はないですか?(私はあります(笑)) こういう理由があったのです。 ちなみにブラックがあるのは、一番使用する黒色を印刷する時に3つの色を毎回使っていたらインクがすぐに無くなってしまうからです。 加法混色の3つの色は、もう皆さんの目の前にありますね。 そう、パソコンのディスプレイ。テレビなどもそうなのですが、光源色として使用される時に使われます。光を発生させる機械の3原色が赤、青、緑なのを疑問に思った事はないですか?(私はあります(笑)) こういう理由があったのです。 青色ダイオードが世紀の大発明と言われるのは、青色が加わる事によって、この加法混色を出来るようになるからなのです。 以上 某電気メーカーで、プリンターの開発設計をしている時に身につけたちょっとした知識でした。