身体知

知恵という言葉を聞くと、「頭で理解するもの」というイメージがあると思います。
でも、スポーツの練習などでよく「頭ではなく体で覚えろ」という言葉をよく聞くと思います。
クンフーの達人 ブルース・リーも映画の中で「Don’t think feel!」と言っていました。
考える事なく、学ぶというのは矛盾するように聞こえるかもしれませんが、皆さんも実は自然に行っている事です。

例えば、自転車に初めて乗れた時の事を覚えているでしょうか?
何度も転んで、何度も何度もチャレンジしている内に、ある時、ふっと乗れるようになったのではないでしょうか?
これは、頭で学んだのではなく身体が学んだ知恵です。
このように蓄えられた身体の知恵のようなものを「身体知」と表現しています。
もちろん、呼吸の仕方などのように学んだわけではなくて元々持っていた知恵などもあります。

このように「身体知」とは、実際に体を動かす事(感じる事)を通して身につけられた知恵のことです。

自転車に乗れるようになると、乗れなくなれないのと同様に
この身体知は、頭で覚える知識とは違って忘れづらいもののように思います。
しかも出来なくなれないという事は、出来なかった時の感覚も分からなくなってしまいます。
昔、整体法を習っている時、先生に「今の出来ない時の感覚を覚えておいてください。」と言われた事があります。
人に教える時に、出来ない人の気持ちが分からなくなってしまうからです。
今さらながらになるほどぁ~と思いました。
教えるのが上手な人と教えるのが下手な人との差にはこういう事も関係しているのだと思います。

皆さんも結果だけを求めるのではなく、そのプロセスや感じた事を大事にしてください。
きっと人に伝える時に役に立つと思いますよ。
もちろん、人に教える事がない人でも無駄にはならないと思いますので、「結果ではなくプロセス」を大切にしながら身体知を磨いてください。

フェルデンクライス・メソッドは言うなれば、この身体知を高めるためのメソッドなのかもしれません。

参考:身体感覚を取り戻す―腰・ハラ文化の再生