抵抗がないこと

メインの動きをする筋肉の事を、「主動筋」といいます。
それに対して、反対側の筋肉を「拮抗筋」といいます。

肘の部分で考えてみると
 肘を曲げる → 上腕二頭筋(二の腕の力こぶ)を使う
 肘を伸ばす → 上腕三頭筋(二の腕の羽衣部)を使う

という関係になるので、
肘を曲げる時の主動筋は上腕二頭筋、拮抗筋が上腕三頭筋となり、肘を伸ばす時はその逆になります。
体の筋肉は、このように筋肉が表と裏にあって動きのバランスを調整しています。

筋肉は、すべて脳からの信号によって動くのですが、
正しくない(意図していない)信号が送られてくると抵抗感が生まれます。
肘を曲げようとしている時に上腕三頭筋に力を入れるという信号が来ると上腕二頭筋の肘を曲げようとする動きを邪魔してしまうのです。

例えば、
誰かに腕を伸ばして相手の肩の上に置いてもらい、両手で相手の肘を押えて、その腕を曲げようとしたとします。
相手に、
☆腕を曲げられないように一生懸命頑張って、腕を固めもらった場合
☆リラックスして伸ばした指先から気が出ていると想像してもらった場合
どちらの方が、腕が安定して伸びていると思いますか?
後者の方が、安定します。しかもこちらの方が楽に感じるでしょう。

これはなぜかというと、
前者は、肘を曲げる上腕二頭筋にも力が入っていて、自分自信で肘を伸ばす動きの邪魔をしてしまっているからです。
後者は、その邪魔がないのでより楽に感じるのです。

抵抗とは、このように意図しないで筋肉に入ってしまう力です。

フェルデンクライスは、学習している時に抵抗感を敏感に観察していけば、技術と能力は洗練されると述べています。
また、パワーを生み出す筋肉群は骨盤の周りにあり、手足の筋肉は力の伝達を方向つけるために使われているのですが、骨盤の筋肉の仕事を手足などの筋肉がさせられた時にも抵抗感が起きると言っています。

抵抗感は重要で難しい問題であるとも言っています。
・困難さを克服出来ると考え、抵抗感を無視して行動してしまう
・重大な事に遭遇する前に抵抗感を取り除く事が出来ない。(抵抗への意識的な気づきがあれば別)
・生まれつきの欠点のせいにして上手く行かないと行動から目を背けてしまう。
からであるという理由からです。

しっかりと、自分の体へ意識を向けて動きの邪魔をしている「抵抗感」に気づきたいですね。