「反復練習は、意味がない。」
モーシェ・フェルデンクライスが、よく言っていた言葉です。
フェルデンクライスメソッドは、脳神経系に働きかける学習法なので、
同じ刺激を繰り返すのは、能力の向上には意味がないと・・・
でも、どの世界でも一流の方は、この反復練習をしています。
反復練習が必要ないわけではありません。
それは、反復練習によって、技術(スキル)が向上するからです。
自身の能力向上と技術向上は、別物です。
スポーツや武道、料理や物づくり、整体法に至るまで、技術はても大事です。
技術のある人と技術のない人では、結果が大きく変わります。
身体能力の高さだけでは、十分な結果が得られないのです。
南郷継正という空手家が言っていた、「量質転化」という概念がとても分かりやすいかと思います。
もともと、弁証法というものの概念らしいのですが、
「量がある一定程度に達すると質的な変化を引き起こす」というものです。
なるほどなと思います。
私も整体の技術を教えた時は、ある程度の型を覚えたら、2000人くらいは施術をこなしてくださいね。
とお伝えしています。
2000という数に明確な根拠があるわけではないですが、なんとなくそのくらいこなすとみんな
それなりになってくるなという経験的感覚です。
(南郷継正は、空手の技の習得には、2万回と言っているようですが・・・)
個人差はあると思いますが、数をこなさない事にはやはり上手くはならないし、感覚もついてこないと思います。
ただ、何も考えずに機械的にやっただけではもちろん意味がないとは思いますが、反復練習大事です。
そして、最初のうちは、いろいろな技術を学びたいし、学んだら試してみたくなると思いますが、
自分がこれだと思う一つの型をまずはしっかりと固めた方がいいと思います。
その型がしっかりとした土台になっていれば、新しい技術を取り入れていくのも技術を変化させていくのも
楽だと思います。
武道でよくいう、「守・破・離」に似ていますね。
というか、それですね(笑)
なにか技術を身に着けたい
スポーツや武道で必殺技を身に着けたい
練習なくして、向上はありません。
技術向上のためのベースとしての能力向上。
向上した能力を生かした、技術の向上。
相乗効果として、活かしてもらえると
フェルデンクライス・メソッドの意義もまた向上するかなと思います。