ウェーバー・フェフィナーの法則

感覚を引き起こす最小の刺激を「閾値」といいます。 大きさの違う2つの刺激があった場合、2つの刺激の差が大きければはっきりと区別でき、刺激のさが小さければ感覚を区別出来なくなります。 大きさを区別出来る最小の差を「差閾(弁別閾)」といいます。 差閾/刺激=一定 の関係が成り立ち、これをウェーバーの法則といいます。 つまり、刺激に気づくのは現在の刺激量の影響を受けるということです。 刺激が中等度の範囲でよく成り立ちます。 「差閾/刺激」をウェーバー比(相対差閾)といい、 これは、五感全部に適用出来ると言われており 視覚:0.016 聴覚:0.08 聴覚:0.003 嗅覚:0.1 味覚:0.5 圧覚:0.14 痛覚:0.07 振動覚:0.04 おおよそこういう値になるそうです。 例えば、これを参考にすると 100gの棒は、114gの重さになってやっと重くなったと違いを感じるということです。 この差分の14gが差閾という事になります。 200gの時は、228gで重さに気づき、28gが差閾。 300gなら、342gで重さに気づき、42gが差閾。 というように重くなれば重くなるほど、差閾値が大きくなります。 力が弱ければ弱いほど、細かい違いに気づきやすいというわけです。 ちなみ触覚では、振動覚が圧覚、痛覚よりも敏感だという事になります。 ヘルニアなどの検査で神経麻痺の有無を診るのにまず音叉を当てて振動覚を確認するのはこういう理由があるんですね。 ウェーバー・フェフィナーの法則は、弟子であるフェフィナーが知覚強度を扱えるようにウェーバーの法則を拡張したもので、 感覚=A log(刺激)  A:は定数 となります。 ただし、ウェーバーの法則は測定環境でも変動する事が指摘されており、今ではマグニチュード測定という感覚を定量的に測定する方法を利用した、スティーブンスの法則の方が実際にはよく当てはまると言われています。 ウェーバー・フェフィナーの法則は、発見された歴史的な意義でその名前が使われているだけのようです。 参照: 「大学課程の生理学 」  南江堂 刊 ErnstHeinrichWeberfechner_2