スキップが出来ない人

先日、某テレビ番組でスキップが出来ない人を見ました。

まぁ~、みんなが当たり前に出来るものだと思ってる事なので、出来ない人を見ると滑稽に映るのだと思いますが、モーシェ・フェルデンクライスの逸話を思い出しました。

 

モーシェ・フェルデンクライスが、生前ニューヨークで、文化人類学者のマーガレット・ミードと出会った時の話です。

 

マーガレット・ミードは、こう尋ねたそうです。

「まず、あなたの答えが私にピンとくるかどうか確かめるために質問させていただいてもよろしいかしら?」と

質問の内容は、

マーガレット・ミードが文化人類学を研究している間、20年以上も同じ島に研究のために行った中で、そこの住民たちやその子供たちにある足の動き(ある種の片足で跳ねてもう一方の足で跳ねる動作)を教えることができないでいる、というものでした。

その住民たちは優れた狩人で漁師だったと言っていたので、おそらくオセアニアのどこかの島の人々を指しているのではないかと思うのですが、この”ある足の動き”というのがスキップなのではないかと思います。

そんな質問を受けてモーシェは、

「その動作について、もう少し詳しく知らないと正確な答えを与えることができないが、その原因や障害は幼児期の初期にハイハイに影響を及ぼした抑制か禁忌におそらく起因するだろう」

という意見を述べました。

マーガレット・ミードは、「合っていると思う!」と驚いた声をあげたそうです。

そして、マーガレット・ミードは、モーシェに

その島の人達は自分の赤ん坊が獣に成長することを恐れて、自分の赤ん坊に四つん這いで地面に触ることを許さないという話をしたそうです。

 

この話を聞いて、当時はそういう事もあるんだなぁ~というくらいにしか思わなかったのですが、

今回、改めてスキップの出来ない人を目の当たりにしてふと思い出した次第です。

(正直、当時はスキップが出来ない人がいるって事にピンと来ていなかった気もします)

 

この話を聞いて、あのスキップの出来ない、某アナウンサーに「四つん這いのレッスンをしてあげたい!」

と思うのは私だけでしょうか?(笑)

 

まぁ~、それはさておいて、赤ちゃんの時の学習ってとても大事だなと思うと同時に

あれこれ、周りが余計な手出しをやり過ぎるのはよくないんだなぁ~~~とも思います。

その赤ちゃんの素晴らしい学習の過程を大人になってからでも再学習する事を可能にする、フェルデンクライス・メソッドって、とてもいいメソッドだなと今更ながらに思います。

 

Mead-Feldenkrais

写真中の真ん中がマーガレット・ミードです。

左の人は、大脳生理学者のアダム・プリブラム博士のようです。

モーシェは、いろいろな人と交流していたんですねぇ~~~