施術者が存在するということ

先日、とあるワークショップに参加した時の事です。

施術者が心地よい立ち位置でクライアントの側に存在し、触れていく事で、クライアントの身体が変化していくという話について、

自分で触れる事ではダメなのだろうかという質問が出ました。

 

講師の方が、

人それぞれ、体の発する振動数や周波数が違うので、固有のシステムを有していて、同じシステム内で何かを行っても大きな変化は起きないだろうという話をされていました。

別のシステムが存在する事により、違う振動数や周波数に共鳴して身体の変化が生まれてくるのではないかという事です。

 

その話を聞いてなるほどなと思うと共に施術者自身の在り方がとても大事だなと思いました。

また、ボディーワークがとても人にとって必要な仕事なんだと嬉しくなりました。

 

モーシェ・フェルデンクライスは、その事について

「触れる者も触られる者も、たとえ何が起こっているのか理解できなかったとしても、つないだ手を通して、ともに感じるものを感じる。触られた者は、触る者が何を感じているかに気付き、頭で理解せずに、自分に必要とされていると感じるものに同調して、システム構成を変える。」

と語っています。

自己の神経系が他者の神経系と結びつく時に、一つのシステムが形成されると考えていたそうです。

また、

「どんなに意識して理解しようとするより、感覚刺激の方が私達の無意識あるいは潜在意識の理解や自律機能に近づくだろうと私は信じています。」

「 感覚レベルにおいてのコミュニケーションは、言語レベルでのコミュニケーションよりも無意識に直接結びつくので、より効果的である。」

「 誰かが言ったように、言葉は自分の意図を表現するより包み隠します。」

「私は親しみを込めて触ることと悪意を込めて触ることを区別できない人や動物に会ったことはまったくありません。思いやりがない考えをもって触れることでさえ、触られた人を堅くしたり、不安にしたり、最悪のことを予想させたりするので、あなたが触れることに対して感受性を鈍くするでしょう。 」

 

とも語っています。

どんなに言葉でも説明するよりも

触れる事の効果や大切さ、自分自身の意識の持ち方がとても大事になってくるという事を痛感させれました。

 

今までも、そういう部分はしっかりと意識していたつもりですが、

触れる事、それ以前にそこに存在する事について、もっともっと大切にしていきたいと思います。

 

一緒にいるだけで癒される人というのは、他人のシステムに働きかけるなにか良い波長をもっているのでしょうね。

そんな人になりたいなと思います。